各種原位置試験はボーリング調査に比べると費用と作業日数を抑えられるメリットがあります。しかしボーリング調査と同じように掘削し目視による地層確認はできないため、地層については試験値と近隣柱状図等をもとにした推定の判断となります。それでも簡便さの有意義性は大きく、役割を理解をしたうえで目的とご予算に合わせた試験方法が選択できます。
平板載荷試験
地盤に置かれた剛板に対しジャッキを用いて荷重をかけ、その圧力と経過時間による沈下量から地盤の支持力や変形特性を割り出せる調査方法が平板載荷試験です。おもに木造、鉄骨、プレハブなど重量の軽い建物の地盤調査に用いられます。基礎の深さが約2.0mまでの建物の調査で比較的多く行われています。

孔内水平載荷試験の考え方に近いですが、「時間と載荷圧力」「時間と沈下量」の関係から曲線を割り出し、地盤反力係数:kv(MN/㎥) 、極限支持力:Pu(KN/㎡) 、変形係数 :Es(MN/㎡)、 長期許容支持力 :qa(KN/㎡)を求めることが出来ます。
主な目的
- 地耐力の確認
得られる結果
- 地盤反力係数 kv(MN/㎥)
- 変形係数 Es(MN/㎡)
- 長期許容支持力 qa(KN/㎡)
- 極限支持力 Pu(KN/㎡)
- 載荷圧力-沈下量曲線(図) P-s曲線(図) logp-s曲線(図)
○ 良い点
- 地層の種類に関係なく地耐力を短時間で測定し確認できる
- 騒音は基礎底面までの掘削と埋め戻しの時のみ 測定中はほぼ無音
- ほぼ1日で1箇所の試験を終えられる
X 良くない点
- 基礎底面(根切り深度)より下部の地層分類は確認できない
- 試験位置の真下のガラや礫石などが判らず、土質地盤ではない極端な地耐力の数値が出る→再試験のおそれがある

