●原位置試験とは
単独の各種原位置試験はボーリング調査と比較して費用と作業日数を軽減できるメリットがあります。しかしボーリング調査と同様に現物による地層確認ができないため、地層については近隣柱状図などを参考にした推定の判断となります。それでも簡便さの有意義性と試験方法の信頼性は大きく、目的と役割を考慮のうえで予算に合わせた試験方法が選択できます。
平板載荷試験
■平板載荷試験とは
平板載荷試験 (地盤工学会基準 JGS 1521)は、地盤に置かれた剛板に対しジャッキを用いて荷重をかけ、その圧力と経過時間による沈下量から、地盤の支持力や変形特性を割り出す方法が平板載荷試験です。弊社では木造、鉄骨、プレハブなど比較的に重量の軽い、基礎の深さが2.0m程度までの建物計画の調査で多く行われています。
【平板載荷試験の概念図】

孔内水平載荷試験と近い考え方があり、「時間と載荷圧力」「時間と沈下量」の関係から曲線を割り出し、鉛直方向への地盤反力係数:kv(MN/㎥) 、極限支持力:Pu(KN/㎡) 、変形係数 :Es(MN/㎡)、 長期許容支持力 :qa(KN/㎡)を求めることが出来ます。
【時間-載荷圧力-沈下量曲線】

◆おもな用途
- 鉄骨・木造・プレハブ建築物 公園遊具等の建造
◆おもな目的
- 地耐力の確認
◆数値・結果
- 地盤反力係数 kv(MN/㎥)
- 変形係数 Es(MN/㎡)
- 長期許容支持力 qa(KN/㎡)
- 極限支持力 Pu(KN/㎡)
- 載荷圧力-沈下量曲線(図) P-s曲線(図) logp-s曲線(図)
◆ 特長
- 地層の種類に関係なく支持力を短時間で測定し確認できる
- 騒音は基礎底面までの掘削と埋め戻しの時のみで測定中はほぼ無音である
- ほぼ1日で1箇所の試験を終えられる
◆ 注意点
- 支持力の数値の設定を事前に決める必要がある。反力(実荷重)の限度を超過する支持力の変更には当日の現地では対応できない場合がある
- 測定箇所の下部の地盤状態が判らない(解体ガラが真下に埋まっていたなど)
ラムサウンディング試験
▩オートマチックラムサウンディング試験 とは
オートマチックラムサウンディング試験 (JIS A 1230)は調査対象のエリアが広い場合や、調査地は平地でも急な傾斜地にあり狭い間隔で地点を調査する必要のある場合など、ボーリング調査に変わってその補間の役割が果たせる調査方法です。たとえば調査エリアの中心点でボーリングを行い、その周囲の箇所はラムサウンディング試験で中心点との違いを確認し補間するといった使い方ができます。それによりボーリング機での掘削を複数行うより時間と調査費用の節約ができる場合があります。

しかし目的が貫入試験のためボーリング調査のような試料採取や地層確認は出来ず、この方法をボーリング調査の完全な代替と見なすことまでは出来ません。このラムサウンディング試験はスウェーデン式サウンディング試験(新名称:スクリューウェイト貫入試験、以下SWS)を改良した技術です。SWSは戸建て住宅での調査方法として最も多く利用されていますが、軟弱地盤を対象とした調査のため、ロッドを貫入させる力が元々強くなく、地中で礫石やガラに当たると陥入不能となり、それ以上深く調査することができません。

ラムサウンディングはこの点を改良しボーリング調査の標準貫入試験と同じ条件で貫入を行います。下記はラムサウンディング試験のデータシートです。ボーリング柱状図の見方にも似ており、0.2m間隔でNd値とグラフが表示されます。ボーリング調査で表示されるN値とも相関性のある試験です。

◆ おもな用途
ボーリング調査の補間として併用できる
SWサウンディングの仕様よりも硬く深い地盤で貫入試験を行う
地中の基礎形状の調査などにも応用ができる
◆ おもな目的
貫入試験による地耐力確認
◆ 数値・結果
Nd値(ボーリングN値に換算が可能)
◆ 特長
貫入試験を0.2m間隔で行う
N値40〜50程度の硬さまでの地盤を貫入できる
深さ30m程度まで貫入が可能
ロッドの継ぎ足しを除き、ほぼ全自動で貫入試験が行われ、作業ペースが安定している。
◆ 注意点
ボーリング機械のように本体を分解出来ない(不整地搬入に限度がある)
ボーリング調査の補間の役割ができるが、代替の役割まではできない(試料採取はできない)
▩スウェーデン式サウンディング試験(新名称:スクリューウェイト貫入試験)
SWサウンディング試験 (JIS A 1221)は日本で長年にわたり、木造戸建て住宅の地質調査に最も利用されている調査方法です。前述のラムサウンディングの原型であり、深さ5m程度までの軟弱地盤(N値4程度まで)の調査に行われます。機械も小振りで軽ワゴン車での機材運搬が可能です。このSWサウンディングのみを専業にした調査会社も多くあります。

●地盤保証の基準として
近年は住宅の工事後に万一不同沈下などで損傷が起きた場合に、購入者に対して地盤基礎工事関係者側が万一の場合に修復を約束する保証制度があります。保証の審査基準としてもこのSWサウンディング試験の結果が多く参考にされています。なお地盤基礎工事会社と弊社のような地質調査会社は似て異なり、前者は基礎工事や地盤改良を行う工事会社の事をさし、地盤保証とはこの工事内容に対して適用される制度のことをさします。ひとつの住宅が建つ過程で、工事と調査を別の作業と考えます。
